いろんなことを考えてみたCanada Day

2008年7月2日

7月1日はCanada Day、つまりカナダの建国記念日でした。
1867年にイギリスから自治権を獲得した日で、この日からまだたったの141年。

そんな若さのせいか、バンクーバーや郊外の各地でイベントをやっていたようだけれど、今ひとつ特色というか国民色というようなものがなく、ただ人が集まっているだけという印象が強かった。
これほど移民が多いと、あたりまえなのかも。

こっちに来てからときどき
「カナダらしさって何だろう?」
と考えてみるものの、未だによくわかりません。
ヨーロッパには「ドイツ人はどこまでもドイツ人らしく、イタリア人はどこに行ってもイタリア人らしい」というような、それぞれの国の特色がおもしろいくらいにあったし、ずいぶんアメリカに洗脳されているとはいえ日本もものすごく特徴的な国で、お隣のアメリカだって歴史が浅いわりには強力に個性的なのに謎だ。

どうしても長く住んでいたヨーロッパと比べてしまい、初めてバンクーバーに来たときの感想は
「ヨーロッパで感じるような老練な空気感もないし、何だかちょっと薄っぺらい場所だなあ」
というのが正直なところ。

とはいえ、たとえばフランス語を話せずにフランスに滞在するのと、フランス語を話せるのとでは扱われ方に雲泥の差があるように、ヨーロッパは(国によって多少の差はあるとはいえ)その国の長い長い歴史の中で出来上がった暗黙の了解のようなしきたりがあり、部外者には見えない壁や階級があって、どんなに長く住んでもある種の疎外感をぬぐえない人もいるだろうから(日本だって外国人にとっては似たようなもの)、このバンクーバーの何でもありで、多少英語が下手クソでも差別されることのない(もちろんまったくないわけではないでしょうけど)、常にオープンで入り口がダーっと開いている感じというのも、のんびりかつ何かを新しく生き始めるのにはピッタリな環境なのかな、と今は思ったりしています。

ところでこの記念すべき7月1日に晴れてカナダ国籍を取得した、計45ヵ国の移民の人々の特別式典の様子がテレビで放送されていて、皆インタビューに
「自分の将来、さらにそれよりも子供の将来を考えると、カナダ人になれたことを心から誇らしく嬉しく思います」
と答えていました。
お祝いの日だし、わざと肯定的なコメントばかり撮っていたのかもしれませんが、自分の国を捨てて喜ばなければならない状況にまだたくさんの国々がある、というのはけっこう切ないものです。

まあともかくいろんなことを考えてみたCanada Dayだったけれど、われわれはのんきにGranville Islandで写真仲間のジョージと会って遊んだりしていました。
ジョージは1957年にハンガリーはブダペストからやってきた移民で、なんとその日が78歳の誕生日。
若いカナダにいると、こういう歴史を背負った人と話すのが楽しかったりします。
まだまだ若いつもりの本人は、かがんだジーンズから覗いているおねえちゃんのお尻などを写真におさめては喜んでいましたが(笑)

写真はダウンタウンのCanada Placeにあるイベント会場で、謎のダンスを見ている人々。
ダーがこれを見てひとこと
「白人いないよね?」
うーん、確かに。

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

夫に出会うまで、自分は一生カナダという国に足を踏み入れることはないだろうと思ってました。出会いってわかりませんねぇ。。。
私はあろあろさんみたいにヨーロッパのことを知らないですが、歴史ある日本国の生まれて思うこと、あろあろさんと同じです。なんてこの国って個性がないんだろう。。。だから私はこの国に魅力をかんじませんし、今もときに退屈ささえ感じます。←こんなこと大きな声で言えないのもストレスです(笑)
でも確かに移民には暮らしやすい街。子育てを通じて、やっーーーとカナダ生活が快適になってきました。住めば都って、3年もかかりました~(笑)。

shoot604 さんのコメント...

わたしも同じで、カナダなんて一生縁がないと思ってました。
友達にカナダ旅行を誘われても「つまんなそうだからいいや」なんて断ってたんです・・・
ほんとに人生わからないもんですよね、しみじみそう思います。
こちらに来る前からきっとつまらなく思ってしまうだろうなあと覚悟して来たのですが、やっぱり予想通りという感じです。
ほんとに文化程度が低いというか、薄っぺらいというか垢抜けないというか(言いたい放題!)。
それにChicoさんの言うように、大きな声で言ってはいけない気がしてそれもちょっとストレスでした。
ダンナはわたしがカナダを好きになれるよう一生懸命やってくれるので、ダンナに愚痴るのもかわいそうで。
でもChicoさんのように一人でも同じように思う人がいるんだな、とわかっただけですごーく楽になりました。
これまでウロウロといろんな場所で暮らしてきましたが、その場所を好きになるかどうかは、結局その場所そのものより、そこで出会う人々だったような気がします。
わたしも快適カナダ生活目指して日々精進しますね!